小山田亮君の事故について
亮君はニューヨークで英語を学ぶ留学生でした。2013年2月21日、彼はNY市警のパトカーに撥ねられ、命を落としました。亮君のご家族は、事故後すぐにニューヨークに行き、変わり果てた姿の亮君と対面しました。悲しみの中、NY市警、および目撃者の話を聞いた遺族は、市警の話と、目撃者の話の間にいくつもの相違があることに驚くことになります。その相違は、赤色灯・サイレンの有無、パトカーの走行スピード等に関するものでした。(事故の詳しい概要についてはこちらをお読みください。)
真実を確かめる為、ご家族は、事故現場の近くにあった監視カメラ映像の開示をNY市警に求めます。(事故後すぐに警察は調査の為この監視カメラ映像を回収していました)しかし、それは現在まで開示されない状況が続いています。そのような状況の中、亮君の死の真相を明らかにできる唯一の手段は、「裁判」により法の力で証拠を開示を求めることでした。この時から、日本に住んでいながらNY市を訴えるという、ご家族にとっては辛く長い裁判が始まりました。(裁判についての詳細はこちらをお読みください。)
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法廷の記録と小山田さんの弁護士が示唆していること(Gothamist紙からの引用(記事の日本語訳))
- 「(事故車の運転手であった)イラルディ巡査は運転履歴に問題があり、それに対しNY市警は彼に対する再教育・再訓練を怠っていた事を法廷記録は示唆している」
- 「NY市警は適切な調査を怠った」「法廷書類によると、現場に応答した警官たちは事故直後に目撃者を全員解散させ、ブレーキ痕の測定を怠り、事故当時イラルディ巡査が携帯電話を使っていたかについての記録も調べていない。」
- 「事故直後、警察の内部調査部による事情調査を、イラルディと彼のパートナーであるカーマン(助手席同乗者)が受けた際、警察側は、(イラルディ以外では唯一の事故目撃者となる)カーマンの証言を変えようと動いた」
- 「証拠ビデオ(NYCHA提供)を何度か止めて確認すると、パトカーの赤色灯は点いていないことがわかる」 これはNY市警の代表が小山田さんの父親やNYタイムズ、自治会に対し、「イラルディ巡査は、911の通報に応答中であり、40番アベニューを、赤色灯をつけて走行していた」と説明した事に矛盾している。
- 「無線録音や市から提供された他の証拠は、イラルディが家庭内暴力の通報に対応もしていなければ、緊急通報に対応している事を彼は誰にも伝えていなかったことを示す。実際、その通報には他の二人の警察官が配備されていた。」
- 「ビデオは編集された状態で渡され、時間の記録もおそらく正しくない。」「NYCHAにより提出されたビデオの最も不審な点は、何かが削除されているという点である。」
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また、小山田さんの弁護士は、ニューヨークのローカルニュース、Pix 11のインタビューに応じ、その中でパトカーが逆走していた可能性があることにも触れています。左手の動画は、そのニュースに日本語字幕をつけたものです。 |
小山田亮君について
2012年11月にニューヨークで留学生活を始めた亮君は24歳でした。彼は渡米前、友人に「親孝行をできる人間になりたい、他人のために何かできるような人になりたい、成長したい」と話していたそうです。ニューヨークでは語学学校で熱心に勉強をしていたようで、学校の先生もその熱心な姿に感心していたそうです。(亮君や遺族、その友達についてもっと知りたい方はこちらをお読みください。)
亮君はニューヨークの文化・人から刺激を受け、その一瞬一瞬を大切にして生活をしていました。このサイトで使われている写真は、彼の残したカメラやパソコンから見つかったものです。その生命力あふれる写真からは、「亮君の生きたニューヨーク」が感じられます。また、彼はニューヨーク滞在中に周りの人達とすばらしい関係を築いていました。亮君の住んでいたシェアハウスの大家さんは、今も毎日のように亮君の事故現場を掃除し、花を供えてくださっています。(亮君の事故現場の写真はこちら)亮君の友人達は現在でも亮君やご家族を大切に想い、応援を続けています。
私達は、日本からのアメリカでの訴訟という難しいプロセスを経験しなければならないご遺族を少しでも励まし、力になりたいという思いから、このサイトを立ち上げました。このサイトで情報を発信することで、この事故とその背景にあるニューヨークの現状について知って頂きたい、見守って頂きたい、そして、私達の声をニューヨークに伝えていきたいと考えています。
ブログ記事のまとめ
亮君の事故に関して
ニューヨークで起きた他の交通事故について
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亮君の写真
- メディアで発表された事故の概要・まとめ
- 提訴へ
- 私達にできること
- 亮君のお別れ会
- あれから半年
- NYメディアの記事
- 亮君を撥ねた車体(FNNニュースより)
- NYから写真を頂きました
- 亮君の裁判の進行状況 (2013年11月)
- 亮君の誕生日
- 亮君の追悼式
- 裁判の進展に向けて(2014年4月)
- 亮君の最新記事(2014年6月)
- ついに映像が明らかに!?
- お母さんより(お母さんからの手紙)
- 証拠ビデオに見られる多くの疑問点
- 事故現場からのリポート
- 署名運動の動き
ニューヨークで起きた他の交通事故について
- ニューヨーク市警、またも歩行者をひき殺す
- マシューさんの事故から2年
- Family for SAFE Street
- またも繰り返されるNY市警の事故ー食い違う目撃者との証言
- ニューヨークにおける法定速度に対する署名
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